2008年10月1日水曜日

メラミンの害


 その痛みが襲ってきたのは秋分の連休の時だった。その日は穏やかな日和でベランダのガラス戸越しに野良猫の遊び相手をしていた。突如、ただ事ではない痛みで、市の救急センターへ駆け込んだ。尿に潜血反応があると言われ救急病院へ回され、集中治療室へ入れられた。なにやら痛み止めを打たれたり、点滴を打たれたりして、当直医にどうかと訊ねられたが、少しも治まらないと訴えた。モルヒネだからたいがいは治まるはずだがと、怪訝に言われた。例えていえば、身体の内側から画鋲をブチブチと突き刺され続けているような痛みだった。尿路結石だった。幸いその後、石も体外に出てさほど大事には至らなかった。話してみたら経験者が多いことも後日知った。これが30代後半のときだった。

 ネフローゼに罹り入院生活を送ったのが18歳のときだった。幽体離脱というのか、自分が客観的に見えた。苦しかったが死ぬ気はしなかった。しかし打撃的に身体が弱ったためか、いろいろな病気を併発した。鈍い頭痛が続き絶えず吐き気がした。胸に影があることと加えて、髄膜炎が疑われ、検査の結果、結核性髄膜炎と診断された。腰の脊椎の間に太い注射針を刺して髄液を採取して検査する。内科医の先生だったのであまり巧くはなかったようだ。神経に触れれば下半身に拷問の電気が走ったようだった。病気よりもこの検査の方が恐怖だった。薬の副作用もつらかった。闘病の結果、克服した。なんといっても若かった。

 腎臓結石(尿路結石)と髄膜炎を発症する危険性があるというメラミンの害。
 私は両方とも発症した経験があって、だからメラミンを食品に添加するなど、とんでもないことだと身を以って言うことができる。

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