2008年10月15日水曜日

「田舎や」をつくった変人



 あなたにはなにかがあるとつれあいは言うが、偶然の所産には違いない。
 バブルのころ別荘地の宅地造成をしてやり散らかしたような山の中腹に迷い込み、そこから下りてきたら、その「田舎や」があった。ずっと行ってみたいと思っていた。

 時間もなかったが、車を置いて覗いてこようと向かった。そしたら、まさに出口から車で出て行こうとしたオーナーに出くわした。

 エンジンも切らずに「なにか?」と言う感じで不審者に臨むようにワゴン車から降りてきた。こちらの1万円で泊まれるコテージをみせてほしいということと、実はということでここを開発した経過を訊ねた。

 理念というものを持っているか。理念をもつことである、少子化、家族の崩壊、高齢化に役立とうと思っている、いきなり尋ねてきた私にとうとうと持論を述べられた。

 聞けば当地の人間ではなく、元は大宮のカメラ屋さんで通信販売なども手掛けてきたが先を見限り、移住と次の事業を考えたらしい。全国各地を訪ね20箇所ほどを候補にしたが、結局住みやすさではここが日本一だと考えたという。目の前の竹山(という絶景地)を借景とし、海があって薩摩富士と謂われる開門岳を望むこの地を気に入り「雑種地」2000坪を買い求めた。藪の草刈から始めた。飛行機代を使って草刈りに来たと言われた、開墾をしたが、国立公園地内で家を建てるには道路から20mは市の指導、県は50mの指導で引っ込んでいること、不動産屋からは何も知らされずに土地を買った。親子が楽しめる施設、家族みんなで泊まれるコテージをひとつひとつ大工さんと一緒になってつくった。温泉も掘った。バーベキューもできるようにした。食糧が無くなる、自分は戦争を知っているから芋の大切さを知っている。芋ひとつで生き延びてきた、今の人は食がわからない、脆い。

 次は行き場のない老人の終の棲家を提供したいと考えている、年金6.6万円で食事付の施設を。どうするかわかるか。生きていけない現状にしがみつくのではなくて、ここちよく生きていけるところに身体をもっていけばよい、という。わかった、今度ゆっくり泊まりに来るので是非またお説をうかがいたい。彼は私の名前すらきかなかったが、「おう来い」と。

 平日は1万円であるが、連休は1万6千円であることも冒頭に言われた。理念を持つ人はしっかりした事業家でもある。

 田舎やのスタッフにも会ってきた。☆清掃をしていた人はアジア系の人、親切に施設を案内していただいた。 ☆ヤギのメイちゃん(草刈り担当) ☆柴犬のマイちゃん(警備担当)寝っ転がっていましたが。 ☆ネコのミーちゃん(いやし担当) ☆子ネコのミーワン、ミーツー(いつも元気) ☆チャボのチャボチャボ ☆ニワトリゴイシと地鶏

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