2008年10月14日火曜日

あら、誰かと思えば


 今年は南から帰って来るたびに温度差に見舞われる。故郷に滞在中は冷房を付けっぱなしだった、持っていれば半袖で足りた。海に沈む夕日を見たかったが、その機会のある日は雨に降られた。あとは晴れてよかった。故郷は温泉天国、食い物はうまい。つれあいの気に入るところ。

 昼食時間になって母を皆さんと一緒に居るテーブルにつかせた。しばらく食べる様子をみた後、施設の人たちにも挨拶を済ませた。「お母さん、また来るね」と声を掛けて別れを告げたら、こちらを向いて「あら、誰かと思えば」などと言われてずっこけそうになった。「バイバイ、バイバイ」といつまでも手を振って笑顔で別れてくることができた。

 私のことも、妻のことも今回は直ぐわかった。だが、前までは壊れたテープレコーダーのように同じことを繰り返し話しかけてきたが、今回は言葉少なでこちらから語り掛けなければおし黙ったままだった。昔のことなら聞きだせることがあるので、アルバムを見ながら話しかけたが、もうぽつりぽつりだった。会わぬ間に体調を崩したときもあったようで、さすがに衰えを見せていた。これまでが歳相応とは思えぬほどに健常だったから。それでも自力で歩けて食事もとれる。

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