2008年5月13日火曜日

いのちのたべかた、終え方


 頼みもしないのに生まれてきて、望みもしないのに死んでいく。ただそれだけだ。神も仏もあるものか、と生きている。終わりを仮定してみたとき楽になった。功なり、名を成すこともなく終えるだろう。
 なんど聞いてもわからないが、とにかく宇宙が誕生した。始まりがあるようなないような、距離だか時間だか137億光年の彼方にあるとかないとか。これだと老荘の思索の方がまだわかりやすい、混沌。ぐっと近寄って、太陽系が生まれ地球が誕生し、水ができ、プラズマだかなんだかと作用して生命ができてしまった。この偶然は広大な宇宙にはどこにでもあるだろう。緑になったり泳ぎ回ったり、水の上に出たり、伸びたり這いずり回ったりして生命は進化した。何故森にいたのか知らないが食いはぐれて草原にでてきたはぐれもの家族がいた。必要があって立ち上がり、環境に立ち向かった。肩、肩甲骨の大きな親戚類者とは異なり骨盤に依存する姿勢をつくり真っ直ぐに載せる7kgもの頭をつくった。ついでに「肩こり」まで生じたが。目で見る能力を発達させた。大中小、右左の血管神経のあまたの管と分泌物が複雑に作用し、而して思考するようになった。同族の生命を奪ったり自らの生命を絶ったりする能力まで身についてしまった。
 かようなストーリーのある伝達物と設計書を申し送られて頼みもしないのに生まれてきた。子をなし育てたから生物としての使命は果たした。なにを伝達しよう、だれも聞いてはくれぬと思うが。望みもしないのに死んでいく。縁起でもないと言われるが、この「いつか」を仮定してみると生前はつまり整然としてくる。必要以上のお金も、媚びへつらいも、要らなくなる。自由に生きよ。
 なに?もう家では勝手に生きているって、女房殿。今に始まったことではないとの由。ははっ。

若者よ『蟹工船』を読め。独りではないぞ。
若き男性よ、恋せよ。
「いのちのたべかた」見に行け。若い女性が多い、しかもひとりだ。
動機は問わない、「いのちのたべかた」を観よ。

映画いのちの食べかた
http://www.espace-sarou.co.jp/inochi/main/theater.htm 
たしか、昨年の11月からまだ上映し続けている、ロングランだ。
渋谷の青山通り入ったところで上映中。
「シアター イメージフォーラム」 http://www.imageforum.co.jp/theatre/index.html 
ただし、上映時間は11:00~と、21:00~の2回。
 
 寒、きわまった昨日今日。

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