2009年12月11日金曜日

寝汗


連日寝汗が続く。飲みすぎもある。
おしまいかもしれないと悲嘆するのは性格のせいだ。

戦前社会を調べれば調べるほど、現在の北朝鮮社会を笑えない。

30年ぶりかな、家永三郎さんの「歴史の中の憲法 上」(77年刊/東京大学出版会)を借りてきて目を通す。ていねいな実証に基づいて記述されている。治安維持法下の想像を絶する人権侵害、取り調べ。藤原彰さんの遺作「餓死した英霊たち」(01年刊/青木書店)を読む。無謀な作戦の下に激戦地に投入された兵士の戦い方は装備もなく銃剣突撃しかない。待ち受ける十字砲火で体が粉砕される。人間の形を留めない。兵士たちには補給がない、そして飢える。栄養失調と病に冒される。飢えて歯のかぶせものが浮いてとれる。歯さえも日々栄養を必要とするものだと実感する――と地獄を味わった兵士の手記にある。

管理が進む。我社で事細かな個人別成績が数値で公表されるようになったのは90年代半ばから。この仕組みを導入して得々としていた幹部は役員になった。そして「惜しまれつつ」癌で死んだ。今度は個人別経費管理が進む。誰が何をどう使ったか、隅々にまで及ぶ。IDコードがなければコピーひとつできない。人間の知恵をこういうところに惜しみなく使う。きっと毎週ミーティングで発表するのだろう。

田中暢さん脚本のミュージカル・ムツゴロウラプソディの「数えられないものがある」の台詞(せりふ)が、とにかく心に残る。それだ!と。

管理社会が進む。非国民が炙り出される。仕組みをつくったもの、操ろうとするものは後ろにいて、国民が国民を監視する、いたぶりあう。

コード、コード、コード、総背番号。みんなおとなしく従う。

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