2009年7月3日金曜日

日本の基本問題


何かのカードのポイントが貯まって妻殿と相談して5,000円の図書カードに取り替えていた。元はといえば景品みたいなもので何でも買えと思うが、不思議なことにこのカードを使うときはできるだけ良い本を買いたいと考えるようになった。それで、湯浅誠さんが書き下ろし4冊目だという『どんとこい、貧困』(よりみちパン!セ 理論社YA新書 09年6月25日刊)と『日本の基本問題を考えてみよう』(中馬清福さん、岩波ジュニア新書 09年6月19日刊)を買った。「どんとこい、貧困」を買うために初めて紀伊国屋書店の児童本のコーナーに足を踏み入れた。はぁ、こんなところにあったのかと思うところだ、少年少女が来ているのだろうかと思う。

東京を遠く離れて旅して、どこの駅に降りても、駅はりっぱに変わっていても、町はシャッター通りで人は歩いていない。アーケードがあってもお店は開いていない。どこの駅前にもあるのはりっぱなサラ金のお店ばかり。バイパスとか呼ばれるところにあるのはどこの町でも見られる商店街とは不均衡な大型チェーンのお店ばかり。お金に関わる貧しさが剥き出しのようにも見える。

それに比べて首都および近郊はまるで豊かさがぎっしりと詰まっているようにも見える。ビルは林立し、しゃれた飲食店はいくらでも開店し、駅の近くには次々とジムが開業する。お金さえあれば豊かに暮らしていけるようにも感じる。富が集約される首都の一角で他人と横並びでなにがしかの“仕事”を為して、通勤電車というボックスに乗って「トカイナカ」(森永卓郎さんの表現)を往復している。豊かな中にいるような気がしている。首都に連なるところだけが豊かなようにまだ見える。累々たる「貧困」の上に成り立っていようともそれは見えづらい。

日本が「うつ」状態になっているように見える。
二極化、このまま突き進んで行ってどこに行くのだろう。

都議選が始まった。衆議院選挙も間近い。
来年の今頃は「改憲国民投票法」は施行されている(2010年5月18日~)。国の形、私たちの生きる姿が大きく後退する危険性もを孕んでいる。

著者の「中馬さん」は、私の知る人では「ちゅうまんさん」と読むが、この人は「ちゅうま」と読むらしい。いずれにせよ同郷の苗字ではある。『日本の基本問題を考えてみよう』を読む。

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