2010年4月10日土曜日

花桃


穏やかな日だった。家の中を片付ける。掃除する。

兄と妻の兄を新宿で接待する。やたらと学生さんが多い、新入学の初めての週末だ。長男夫婦も引き合わせる。兄を迎えに下りたら板長さんが板場に立っていて、この前のことも含めて挨拶をしたら、会食中におめでたいことでと差し入れをいただいてしまった、恐縮。新宿にこんな静かなところがあるなんて、とか、それぞれの話に花が咲く。

甥っ子は再婚できたそうだ、再婚なのでとくに知らせてはくれなかった。兄は肺にまた癌がみつかって再びその治療をしなければいけないという。数年前に余命5年と言われたらしい。じゃあ差し引けばあと何年もないではないかと、そういうことだねぇと。癌よりも抗癌剤の副作用がつらい、発疹もでるしとワイシャツの腕をめくってみせる。家に帰ってきて二人きりになってそういうことを淡々と話す。そのうちに、風呂が沸いたので入ってもらう。

兄の青春を過ごした東京、昔の八王子も日野も知っているらしい、今日は友人にも会えたと。明日はよろしくお願いします、と言って就寝してもらった。
明日の朝は我が家の花桃を見せよう。

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