2010年1月19日火曜日

ウチナーの三日月は

今宵は三日月がきれいだ。普通に暮らしていて歩いていて、頭上から何か落っこちてくるという意識は無い。普通に話しをしていたりテレビを見ていたりしてとても聞こえないほど騒音がやってくることはない。ところが沖縄の普天間基地の周辺にはこれがある。

東京を出るときはとても寒かったので着込んでいったが、沖縄北部の辺野古の海岸は穏やかで、やや強い日差しがあった。南国育ちで、このほんわかとした気候は身体が覚えているのだが、さすがに1月とは思えない。こんなにのんびりとした良いところが、今も訓練場や弾薬庫に使われているなんて、ましてここに2,800mもの滑走路が2本もつくられようとしているなんて。オスプレイと呼ばれるヘリコプターのように垂直に上昇できて、飛行機のように真直ぐに飛べる航空機を配備しようとしている。これは機能を欲張りすぎて故障が多く、よく落っこちるという定評がある。「未亡人製造機」とも‘あだ名’されるほど危険な兵器だ。

反対派の座り込みの画像は見ていたので、「ああここがそうなんだ」と今いるのが不思議に感じた。オーストラリア、フィリッピンとここにいるジュゴンの話を聞きながら、調査捕鯨船に先鋭的にアタックするシーシェパードのみなさんはここでこそ身体を張ってほしいなと、ふと、頭をよぎったりもした。東京の高校生たちが修学旅行に来ていて記念写真を撮っている。骨のある先生がいるのかなと、また頭をよぎる。「北部の人たちは基地のことを金の成る木と思っているのかもしれないが、実態はそんなものではない」「早く辺野古へ行ってほしいとは露ほども思っていない」という宜野湾市の伊波市長の言葉を反芻する。

名護市は選挙になった(1月17日公示、1月24日投票)。現職の基地容認のヨシカズ候補か、基地反対のススム候補かの一騎打ちの市長選が始まっている。普天間基地問題に絡む代替施設の行方、つまるところ沖縄に新たな米軍基地をつくって提供するかどうかの民意を測る選挙として新聞紙上では注目を浴びている。

私は草の根を思わざるをえない。

誰が好き好んで基地を認める人がいるだろうか。これを前提にして敢えて立場が分かれる。一方はそうは言ってもあしたからどうやって食っていくのだ。一方は子や孫の代まで悔いを残すような受け容れはできない。融和ではなく対立を日米安保が持ち込む。ヤマトの温度は低く、注目はしているが私のまわりは関心がうすい。

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