2010年1月12日火曜日

鰻の稚魚漁の季節


 鮭は河川で生まれ海で育つのですが、鰻は逆に海で生まれ河川で育ちます。鮭は産卵のために海から帰ってきた親をつかまえて人工的に孵化をさせ増殖することができています。稚魚を河川に放流し増殖することができています。
 しかしながら、うなぎの場合はまだ卵から孵化して育てることはできていません。南の深海で生まれたうなぎの赤ちゃんが日本も含む東北アジアの各地の海岸にたどり着くのが冬から春にかけて。これを採捕して大切に育てるのがうなぎの養殖です。
 鰻の稚魚(シラスウナギといいます)は、資源保護のため養殖用として国より特別に許可を得て採捕します。各県により採捕期間は少し違いますが、鹿児島県の場合12月~3月までの期間に定められております。その期間に採れたシラスウナギを、養殖池に入れ大切に育て、大きくなった順に出荷していきます。国内の養殖池に入るシラスウナギは、日本より早く採捕が始まる台湾(11月~)のシラスウナギも利用して池入れがされます。
 シラスウナギの採捕は、闇夜の大潮を中心にした時期が最も良く、その時期に海から川へ上ってくるシラスウナギを網ですくいます。漁に出ても全く採れない日もあるとの事ですので、冬の寒い時期での作業は大変な作業です。
 シラスウナギを養殖の池に入れるときは、最初は塩水に入れ徐々に淡水に変えながら同時に水温を30℃位まで1週間位かけて上げていき、餌を与えられる池の状態へ変えていきます。シラスウナギは、弱い生き物なのでこの池入れのときが病気に移らないよう一番神経を使い大変な作業です。

0 件のコメント: