2009年9月7日月曜日

白い一日


 山田洋次さんの淡々と語るそしてなにげないユーモアの含まれる話にいつのまにか心が動き、そしてまだできあがってもいないミュージカルの‘お稽古’にずっと立ち会っていた人柄に感心した。9時も過ぎていたが、「ここはおごるから」と練習で疲れて早く帰ろうとする妻殿を引き止めて飲んだ。今日の話と事柄をふたりでかみしめたいと思ったから。若い御夫婦がやっている居酒屋を覚えていて2年ぶりに訪れた。出すものが手作りで工夫してあって暖かさを感じるし、奥さんも愛想が良く、よく立ち働く。その記憶は正しく、気持ちよく今日の感動の余韻を楽しんだ。電車を乗り継いで家に帰り着いたのは12時前だった。飲んだといってもホッピー一杯と追加でたのんだ泡盛一杯である。昨夜のことだ。

 二日酔いでも何でもなく、だるい。いい天気だ。

 「山田洋次さん来る」ということが新聞の地方版に出たらしく、前日になって問い合わせが殺到したらしい。市民会館の小ホールしか借りておらず、お断りするのに大変だったらしい。私はたまたま予約しておいたので参加聴講できた。

 本を3冊読もうと、いや読まなければいけないと考えた。
 日曜日はお留守番。一念発起で終日お片づけをした。ようやく机の表面が現れた。そして新聞が2年分あった。‘2年分の新聞’は手がつけられず、今度は主のいなくなった子供部屋へ緊急避難。その新聞をなんとかしなければならないと考えた。
 映画「同胞(はらから)」を借りてこようと考えた。
 市内温泉に行きアカスリをしてもらおうと考えた。

 よし、休むことにした。職場に、いや相棒に迷惑をかけるが明日あやまろう。

 妻殿がお休みのときは、あれとこれとたのんで、最後に掃除をしておくようにと念を押す。帰ってくればほぼその通りにしてあるので、気持ちいい。妻殿は突然職場を休むような“ヒキョーな”ことはしない。

「まっしろな、陶磁器をながめては、あきもせず♪ かといってふれもせず♪」

…で、ときどき居眠りをした程度でなにもせずに過ごした。

 映画「同胞」はレンタル屋さんになかったが、隣の古本市に『「江戸しぐさ」完全理解』(越川禮子/林田明大2006年12月刊三五館)をみつける、ゴキゲン♪。

 夕方、これではいけないと、お風呂の掃除をして、お夕食の準備。
えーと、昨夜の居酒屋を参考にしてキャベツの乱切り、きゅーりも、ただそれだけ。氷見うどんを茹でる。そばつゆしかなかったからそれで。「そのまま枝豆」は解凍しただけ。あなたは、どかっと座っていなさいと、お片づけ食器洗い。おっと、缶詰の杏仁フルーツも冷やしていた。

 妻殿は洋裁に挑戦、悪戦苦闘、目が使えなくなった、やってやれないことはないヨと横でミシンの音。

人生一度しかない、なんでもないいちにち。 明日はプラごみの日。

2 件のコメント:

ありんくりん さんのコメント...

日常が戻ってきたみたいですね。よかった。
「同胞」、私が大好きな映画です。ダイブ前に見たきりなので、はっきり覚えていませんが、ちょうど1970年、万博。職場を整理された夫婦が、来たに職場の新天地を求めて、途中子供に死なれ・・・。
今、あんな痛切でいて温かい映画ないよな。まさに同胞。はらから。いい言葉だと思います。

余情半さんは「日の丸共産党」には加担しないって言ってましたが、農村にいると、元来翻訳思想だった共産党が、土着するって意味をかんがえてしまいますよ。
私にとっての同胞は、なんやかんや言っても、村の仲間だからなぁ。

そのうち、映画「同胞」でもビデオで見ながら、デレデレとイワシの刺身でもつまみながら、島酒でも飲みたいですね。

余情 半 さんのコメント...

東京駅方面に行こうと逆方向に行きそうでした、池袋に着いたらまた逆の改札に出そうになりました。東京みたいな大都会はいつまでたっても不案内です。「路上に放り出されたに等しい首切られた派遣労働者の人たち。ダブルワーク、トリプルワークで子どもを支えている母子家庭のお母さんたち。限界集落と呼ばれ先祖代々の農地を支えられなくなりつつも頑張るお年寄りたち。高すぎる学費に志半ばで苦しんでいる若者たち。」この列島にいるそんな人々の「苦難軽減のために頑張っている」名も無き人たちの数十万人、草の根、こんな人々もいることに思いをいたし、私の身近にもいるその人たちに敬意を私は抱いています。立場ははるかに違っても使命は地域の絆、平等と連帯、平和と共生ではないかと掲げる保守政治家との、この社会の惨状、危機にたいする対話も今は可能と考えます。私は「形だけ」「横並び」「踏み台にする」そんな人たちがなじめないだけです。「なじめない」といえば、御手洗さんたちが早速「25%削減」にはなじめないと「抵抗勢力」しているそうです。いわしでなくとも、うまいきゅうりかキャベツかとうもろこしでもよいのではないかと考えます。いつもフレンドリーなコメントありがとうございます。いも、でいいですか。