2009年9月23日水曜日

猪俣さんのトンボ


 ベトナム人を妻にした人は言われるそうだ、日本人の夫の稼ぎはいいけれど、家では自転車の修理ひとつできないと。確かにそう思う。

 家を出ようとしたら自転車の前輪がへこんでいる。空気を入れてもスースー抜ける、それで慌てて閉店間際の自転車屋さんに行く。車体はホームセンターで買っているからこういうときだけ駆け込むのは悪い気がする。しかもいざ修理というときにそう遠くはないところにあるから助かる。よく考えたら遠ければお手上げだ。シャッターは半分閉じかけていた。ご主人が出かけていて待たせてもらう。お店で通りに面しているから、通るたびに走る車の風が当たり揺れる感じがする、お店の商売というのは大変だ。パンクではなくて空気を入れるところが磨耗していたらしくそこから空気がもれるようになっていたみたいだ。

 竹細工らしいとんぼがいくつも飾ってあるので売り物かと訊けば、う~んとか言う。よく見せてくれて、ただの飾りかと思ったら、頭のところの一点でバランスをとっている優れもの。尻尾のところを薄く削り取って、つくるのにのべ24時間はかかったものだと。胴のところは一本の竹でつくっているらしい。誰かに手ほどきを受けたのかと訊くと自己流だそうだ、気に入った。わけてもらえるかというと、ん千円ならという。手を打ってこれを求めた。

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