2009年8月9日日曜日

ナガサキ忌


 無残な死に方をしたくない。一番嫌なのが戦争と虐殺。

 どんと上がったものが、大牟田からも水俣からも見えた(聞こえた?)らしい。出水の鶴のセンターでもその話を聞いた。ナガサキは山と島の向こうだ。

 西本治子さんはうまく話せなくなって泣き出しそうになる。ほんの少しの差が家族の中で生死を分けた(張本勲さんもその体験を話す)。生活できなくなって母方の実家の天草に帰る。母親は、外見は何ともなく見えるが働けない。ぶらぶら病。原爆の長崎から逃げて来た(何か移るらしいというデマ)ということと原爆症(医者が経験したことのない放射能による後遺症)、そうして貧窮者にたいする無理解が二重三重に差別を呼ぶ。家族知人が殺されたこと、生き残っても身体も生活も苦しかったこと。九州弁でとつとつと語るが、悲しみがこみあげてくる。うまくは話せない。

 政府与党はそういう人々が死に絶えるのを待っているようにしか思えないような態度をとってきた。原爆集団訴訟の被告として19連敗。今度の選挙が迫ってこなければ、さらにそ知らぬ顔をしていたのかもしれない。政権交代はあってしかるべきと考える。政治の冷たさを本質的に変えなければならない。

 日系アメリカ人のスティーブン・オカザキ監督はドキュメンタリー映画「ヒロシマ・ナガサキ」を25年の歳月をかけて完成させた(2007年)。これをDVDで入手することができる(2800円税別)。「生きる勇気と尊厳」を受け止めさせると評される。もちろん、アメリカで上映、放映された。ひょっとしたら、オバマさんも観たのかもしれない。

0 件のコメント: