2008年12月1日月曜日

甕という製造容器

 今日の夕方、「三日月と木星と金星がきれいだよ」とメールがきた。私が駅に降り立ったときには雲がかかっているようで見ることができなかった。

何日か前、元大学院教授のM先生から電話が掛かってきた。先生は耳が遠いから大声で話せねばならない。それでも私の返答は聞こえぬらしい。先生の一方的な話で堂々巡りになった。

奄美のFさんがさとうきびの「大正種」を復活させていよいよ収穫期になった。それでさとうきび酢を昔のつくり方で作りたいのだが甕がない。入手できないかという。焼酎を造っているところにでもあたってくれとのこと。

私の小さいころには甕はいくらでもあった。焼酎屋さんもさることながら醤油屋さんの工場にもごろごろしていた。ところが、この甕の製造は廃(すた)れた。

今は有名になったが、鹿児島県福山町(現霧島市)の黒酢を復活させようとしたとき、甕の入手に苦労したという話を坂元醸造の皆さんから聞いた。粘り強く伝統の黒酢のよさを世に問い、認められブームが起きた。ところが、いざ増産をしようにも甕が国内では入手しづらくなっていた。もともとは薩摩焼があって日常品としての甕生産の背景があったとは考えられるが、もうない。韓国、台湾、ベトナムあらゆるところを頼り、入手したそうだ。先生にはそういう話をした。

今は昔ながらの甕や壷で醸造品を熟成させるというのが見直されている。焼酎製造もプレミアム商品にしている。手放すはずがない、そういう話もしたが先生には聞こえなかったらしい。

甕は骨董品、美術品になり、とうの昔に生活用品ではなくなった。鹿児島の黒酢もそうだが、工業的につくる酢と違って、焼き物の壷ないし甕はそういう酢をつくるためのどうも適正な製造容器であるらしい。

奄美のさとうきび酢は奄美大島南部、加計呂間島という地域にある特有のなにがしかの浮遊菌が付着して、これを醸し出すらしい。何故かその風土でしかつくられない産物だ、これを奄美大島の北部で試したそうだが作れなかったそうだ。山の湧き水と菌と気候というそこの条件が合わさって、さとうきびの搾汁液が発酵してできるそんな酢だ。要するに工場でつくらない。甕(壷ともいう)に入れてそれらを並べてつくる、だからそこを「畑」という。

甕(おそらく素焼き)を入手できないだろうか。ただ、先生の予算がわからない。

1 件のコメント:

順調に治ってきているブナガヤ さんのコメント...

瓶大好きです。わが家も瓶がいくつか転がっています。沖縄のミミガミー(耳瓶)、韓国のザーサイ瓶、地元の焼酎瓶。
ついでに野ツボ。
私が沖縄に居た時から既に酒作りはするが、瓶作りは台湾に任せていました。ご承知のように今、ほとんどの島酒は瓶で寝かせません。瓶を作るコストが合わないということです。毎度おなじみの「先進国コスト」です。
私は日本の瓶作りを残すためには、ベトナムなどでにわが国の職人がやるしかないのかなとやや悲観しています。ごめん。