2008年12月13日土曜日

意外な講演者

 府議会議員時代の野中広務、伊吹文明両氏は反蜷川虎三京都府知事の闘士として売り出したと記憶する。自共対決のなかで這い上がろうと野心満々、権謀術数の政治家と、耳にする報道や目にするポスターなどで窺えた。後年、御両人とも国政のなかで自民党の大物となった。同様に谷垣父子もいる。野中氏は革新府政を倒した林田悠紀夫府政のもとで副知事を努め4年間辣腕を振るった。
 この社会には生まれた家系や土地で不当な扱いを受ける、またその逆もある。前者の例は部落差別、後者の例はそれこそ麻生さん、福田さん、安倍さん、小泉さんの政治家2世3世の世襲だ。野中広務さんは悔しい思いをしてきたことだろう、麻生さんがそういう言動をとったという報道がある。「憎まれ役」の野中さんはネット社会でも激しい攻撃にさらされている。差別、それは卑劣で不当である。それこそ断固憎むべき所業だ。

 昔、東京というところに行き、目的は忘れたが明治大学を訪ねたことがあった。昼食をとろうと思って生協の所まで行って思わず後ずさりした。貼り紙、立て看、まるで赤い要塞だった。近年お付き合いのある人たちが、あのときのあの人たちだったのだと思うことがあって、心の中で苦笑してしまう。御茶ノ水は息子が通っていて少し雰囲気を聞いてはいたが、明治大学の大きなビルには目を見張った。久しぶりの大講義室、作り付けの机とイスの幅が狭い。さすが都心だ、会場が埋まった。

 「憎き野中が何故こんなところに呼び出されたのかとお思いでしょうが、」という前置きで83歳の野中広務さんが演壇に立って、講演が始まった。背の低い人だった。本日の「─過去と向き合い、東アジアの和解と平和を─南京事件71周年 12・13集会」だ。

 日本は過去と向き合うべきだ、見聞したことを正直に言い続けること、と主張しつづけ、相談が来るようになって、ついに司会の南弁護士にひっぱられ、こんな集会にでるはめになった。かつての同志や後輩たちが激しく攻撃してくるだろう、とも。確信と覚悟をこめた発言から始まった。蜷川虎三さんや共産党との対峙、教組との対決、国政へ転出、71年に最初の南京への慰霊の訪問から始まり中国へ足を運び対話を重ねていること、昨今の小泉純一郎さんとの対決、福田さんの修復への評価、安倍さん麻生さんの頼りなさ、などなどほぼ1時間余り、立ちっぱなしのまま、話が途切れることも無く講演は続き、終わってみれば会場の万雷の拍手に包まれていた。

 保守政治家としての信念に基づく言説だったが、「日本は東アジア、ロシアと傷口のない関係を構築すべきではないか、積み残されたこと戦後の処理、小さな紛争はあっても一衣帯水の国々だ、乗り越えるだけの信頼関係をつくるべきだ、生きているうちに道筋をつけておきたい、これからの日本の在り方に。ぜひ立ち上がってほしい」と締めくくられた。

 街宣車(右翼の街頭宣伝車)にいじめられ奥さんは病に倒れられたらしい。

 蜷川虎三さん、林田悠紀夫さんや野中広務さん、私の人生のなかで若いときにすれ違い、今日始めて野中広務さんのその生の声を聞いた。

2 件のコメント:

ブナガヤ さんのコメント...

今回に関しては、ブログ主様と意見を異にします。私は野中という人をまったく信じていません。その時、その時でみずからの権力維持のためになにでも利用する機会主義者です。

彼が被差別部落に生れたというのはそのとおりで、その哀しみや、そこから彼がどのようにして権力中枢に至るのかは魚住さんの本に書かれています。

彼は非差別部落の利権を一本で牛耳る解同としっかりと癒着していたと私は思っています。その中で土建と土地ころがしこそが金権の泉だと分かった。その後彼が田中角栄に師事するのは故無きことではありません。

彼にとって当時の蜷川共産党府政=日共系解同反主流派はその上でのいわば商売敵のようなものです。だから彼は合法、非合法を問わず解同と共に叩きに叩きまくり、京都での部落解放運動での共産党の影響力を一時的に壊滅状態にまで追い込みます。

その彼が今頃よく「憎い野中がなぜこんなところに」としゃらしゃらと言えるものです。感心するというか、その厚顔無恥ぶりに吐き気すらします。時間はすべてを流してしまうのでしょうか?
金権を摑むかめに解同と手を握って、のし上がり、権力中枢を握って、いままた、人権法などで「解同が法律」という利権、金権の法律を作ろうと画策しています。彼の一番のコブンたる古賀氏がこの旗ふりなのは偶然でしょうか。そして彼の選挙区も解同の本拠地の福岡なのも偶然でしょうか?

彼がしゃらしゃらというリベラル風の聞いたような歴史反省などの言語など私はなにひとつ信じていません。言葉はタダですから。彼が政治的な言語をサービスする時にはかならず、その裏に利権があります。ですから、南京で謝罪すれば、その裏には旧橋本派の巨額のODA利権があります。彼のような旧田中派の中枢にいた政治家がそのようなこととは無縁に純粋に心を清めようとしているなどということは、私には考えられません。

彼を信念がある保守政治家などとこちらが錯覚するからおかしくなるのです。彼は巨大な怨霊です。権力と金権の。そしてそのためにはどんなに心にもないことでも平気で誠意を装って言えるていどに恐ろしい化け物です。

かつて彼が唯一悪魔呼ばわりした今や小沢一郎首相(候補)と同格の権力にとりつかれた漆黒の怨霊です。こちらが彼になにか過剰な期待をしてはいけません。ぜったいに裏切られます。
彼は私たち普通の人間が分かるような単純で生活することと、語ることが一致している、あるいは一致しないことを恥ずかしいと感じる人間ではないのです。政治目的のためには手段を選ばない類の政治的な化け物なのです。

ご注意あれ!彼は小沢一郎とならぶくらいに危険な人間です。

余情 半 さんのコメント...

なるほど。注目しておきます。