2008年11月9日日曜日

狼が来た蔵くん


 「黒米」には香りがあります。

 稲のときから香りがあるということを石垣島に訪ねて行って知りました。だから鳥が寄ってくるそうです。田植えのあとは苗が食べられてしまうので1~2ヶ月はこの鳥との戦いだそうです。それでも食べられてしまうのだそうです。なんて牧歌的なのでしょうか。生産者のご苦労は田んぼに泊り込みで大変だとお聞きしたのですが。

 この香りの成分が都会の人には「異臭」と誤解されます。
この「黒米」は健康ブームになって復活はしましたが、食べなくなって1,000年ぐらい経つのだからそうなのかもしれませんね。この成分は黒米だけではなくほかの食品にも含まれ、異臭騒ぎになるときがあります。

 もう、食べる方も売ったほうも敏感です。というかビクビクしています。検査、ケンサ、ケンサ、ピーポーピーポー注意速報、狼が来た蔵くんです。オオカミが1日に100回来ます、担当は寡黙になっていきます。全体の株が暴落しても検査株は上がっているかもしれません。

 社会に許容性がなく、人はキレるようになり、監視社会になっていきます、工場や倉庫は鉄条網や堀で囲い、IDカードがなければ入れなくなっていくでしょう。監視カメラ、私物点検は容赦なくなるかもしれません。労働組合なんか入ってこられません。運送手段のセキュリティシステムも負荷されるでしょう、ただでさえコスト圧迫を受けていますのに。「誰も信じない」と煽られています、誰からなのか正体がわかりません。見えざる不安。

 生産から消費が離れ、野生味なんぞはなおさら遠くなって私らが小さいときに考えた「未来都市国家」になりつつあります。「無味無臭混じり無しの柔らかい食品」か、或いは不自然なのに「決まりきった味とフレーバーの食品」しかわからなくなるときが近づきつつあります。要するに宇宙食化しつつあります。昨今の食品の問題はつまるところ完全無欠の包装食品を目指さなくてはなりません。でも誰がつくるのでしょうか、安く細かく加工調味して完全無欠の包装食品を。中国のかたにお願いするのでしょうか、安く細かく完全にと。

 押し返さなければいけません。生活をまもるのは常識と想像力と食育・食の継承と寛容、笑いの絶えない食卓と家族、かけがえのない環境です。農業、漁業、製造業などありとあらゆる現業が尊重され、人間がモノである社会ではありません。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

全くその通りですよね!
添加物による異常なほどの匂いには鈍感で、と言うよりそれで感覚がマヒしてしまっているのか、本来持っている自然な香りにはこれまた異常に反応する。
ほんとおかしい!
世の中、みんな感謝する気持ちを失ってしまっている・・・
文句言うんだったら、自分で作りなさいよ!って思ってしまう。
要求と文句ばかりの消費者たち・・・
一人一人がもうちょっと思いやりを持って、想像力を働かせ、感謝の気持ちを持ったら世の中かわるんだけれどな~
黒米・・・異臭???
1度も感じたことない!

goooooood girl さんのコメント...

i like......