2011年3月10日木曜日

「ショージとタカオ」


 昨日のことだ。
 定時で退社し、地下鉄にとび乗った、それで霞ヶ関までで20分もかからないとは驚いた。すぐそこなんだ。B1の出口を出ると会館につながっている。一気にエレベーターをのぼったが、主人公の桜井昌司(さくらい・しょうじ63歳)さんと杉山卓男(すぎやま・たかお64歳)さんの挨拶を聴くには間に合わなかった。青木和子弁護人と井手洋子監督の話は聴けた。そうして特別試写会であるドキュメンタリー映画「ショージとタカオ」(158分)を観る。

 井手洋子監督は撮影に14年を要したが、茨城県で起きた強盗殺人事件(布川事件)の犯人とされてそれまでの二人の獄中29年に比べれば、何ということはないと言う。映画は1996年の二人の相次ぐ仮釈放の場面から始まる。「普通のおじさんになりたかったのに、なれなかった。」どういうことなのか、あるときあなたは42日前に何をしていましたかと訊かれて即座に答えられますかとは、青木弁護士のこの映画への紹介。2010年キネマ旬報文化映画ベスト・テンの1位に輝いた。この映画は3月19日から一般公開される。

 ここ数年、私たちはドキュメンタリー映画を観る機会に恵まれ、また、それに凝っている。そして、ドキュメンタリー映画の監督が女性であることが多いという印象もある。

 3月16日には、この「布川(ふかわ)事件」の再審判決が予定されている。

 そして3月28日(月)には日弁連主催でシンポジウム及び院内集会が催される。以下、日弁連からの案内

「作られた自白、失われた29年
 -布川事件再審判決は何を明らかにしたか-」
 本年3月16日、布川事件(1967年に茨城県で発生した強盗殺人事件)の再審判決が予定されています。本事件では、近年明らかとなった足利事件、厚生労働省元局長事件などと同じく、虚偽自白を強いる取調べや証拠隠しなどの違法捜査が行われたことによるえん罪であることが明らかになっており、日本における密室取調べや代用監獄の弊害を露呈しています。

日弁連は、本判決を機に、布川事件とは何であったのか、改めて総合的な検証を行うために、40年以上にわたってえん罪を訴えてきた桜井昌司氏と杉山卓男氏ほかをお招きし、密室取調べの終焉を展望するとともに、取調べの可視化(取調べの全過程の録画)の必要性を訴えるためシンポジウム及び院内集会を開催いたします。ぜひ御参加ください。

【院内集会】
日時 2011年3月28日(月)12:00~13:00(開場11:45)
場所 衆議院第二議員会館1階多目的会議室(東京都千代田区永田町2-1-2)
参加費等 参加費無料・どなたでもご参加いただけます。※入館手続きを行うため、事前のお申込みが必要。

内容(予定)
1、布川事件とはなにか
2、布川事件の問題点
桜井昌司氏、杉山卓男氏(布川事件)
3、再審判決の報告
青木和子布川事件弁護人(第二東京)
4、国会議員からのご発言

【シンポジウム】
日時 2011年3月28日(月)18:00~20:30
場所 弁護士会館2階講堂クレオBC(千代田区霞が関1-1-3 地下鉄丸の内線・日比谷線・千代田線 「霞ヶ関駅」B1-b出口直結) 参加費等 参加費無料・申込不要・どなたでもご参加いただけます。

内容(予定)  
第1部 布川事件が明らかにしたこと
1、布川事件とはなにか
2、布川事件の問題点
桜井昌司氏、杉山卓男氏(布川事件)
3、再審判決の報告
青木和子布川事件弁護人(第二東京)  
第2部 パネルディスカッション「密室取調べの終焉へ」
■パネリスト
桜井氏、杉山氏、青木弁護人、宮崎誠弁護士(大阪)、小坂井久弁護士(大阪)
■コーディネーター
秋田真志弁護士(大阪)
主催 日本弁護士連合会
共催 東京弁護士会 第一東京弁護士会 第二東京弁護士会(予定)
問合せ先 日本弁護士連合会 法制部法制第二課
TEL:03-3580-9481  FAX:03-3580-9920

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