2009年3月7日土曜日

祝・生還


 下顎(したあご)を大きく開けて喜びを表す、これが我が家の流儀です。確か歩き始めたころの幼き長男がこれをやって真似ました。もともとは妻殿の仕草だったかもしれません。

 さて、かねてより生家にて入院加療中のところ、このたび無事手術に成功、軽快し退院の運びに至り、ようやく我が家に帰ってまいりました。立ち上がれず、動けずという重篤な症状に陥り、かけこみ診断の結果、即入院と相成っておりました。様態が危惧されておりましたが、記憶を無くすことと引き換えに開腹手術を施し、一命をとりとめました。詰め込む、過作動の強要などの虐待を受け、齢5歳にも満たぬ身体を鞭打つ扱いを受けたためと考えられます。
 
 しかしながら帰還したのはよかったのですが、すべての記憶を失ったため、おぼつかなく立ち上がれるも動けずの状態でした。私は10のことを始めるのに5から始めてしまうせっかち、横道もんであります。確かめもせず、またも虐待まがいの扱いをしてしまいました。ところが、さすが我が妻殿は東北人、粘り強く10のことは1から始めます。引き受けてくれまして、まずはしゃきっと立ち上げ、ついには動けるようにしてくれました。要は妻殿は普通、私は異常、ただそれだけのこと言えます。

 ともかくも下あごを大きく開けて言います、「おかえりなさい、ディア・マイ・パソコン!」

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