2011年7月20日水曜日

母の三回忌

 出発の7月10日、日曜日の朝は早く起きた。たまたま、なでしこジャパン丸山さんの見事なシュートを見た。強豪のドイツ戦だった。思わず早朝ながら声をあげた。それから、羽田に向かった。

ふるさとの温泉に浸る。
二年ぶりだ。
アルカリ泉のぬるぬるした触感で、まるで化粧水を使ったように肌がつるつるする。
私のふるさとの周辺の温泉はこれに優れている。
他郷の温泉でこれほどの泉質にまだ出遭ったことがない。

豊かな湯、のんびりした空間、ゆったり流れる時間
母の三回忌をなじみの寺で終えて
兄弟みなでいつものこの旅館に泊まる

 お寺の息子さんたちは三兄弟だったことを想いだした。
長男さんは私よりひとつ上で、下の弟たちは私より下だった。お経をあげてくれたのは一番下の弟さんだった。真中の人は赤穂のお寺に縁あって養子に行ったそうだ。
 お母さんが若くて美人だったので、ここの兄弟はみな、今でいうイケメンだった。町内会と学年が違ったのであまり遊んだ覚えはないが、三兄弟だったことを想いだした。今になればそれほど歳は変わらないのだけれども。

 お墓や戒名に兄は既に大金を使った。母のお金だ。お経をあげてもらうことひとつにも必要以上にお金を使う。何を信仰しているのか知らないが、俗な葬式仏教のおまじないのような形式にこだわる。ここのお寺はそのようなことは強要していない。なにか通俗的な宗教を有難がり、あるいは盲信し、お金を投じ形をつくることで母への供養だと信じ自ら満足しようとしているように思えてならない。

 故郷を喪失した感じもあり、また、母を慕う気持ちはかわらないのに心の通わぬことへの寂しさが募る。詮無きことだ。

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