2009年2月9日月曜日

「いぐ来てけだんし」


 故郷は南国といえども雪は降りもするし積もりもする。しかし何十cm、何mも積もりっぱなしという生活をしたことはない。

 「かてて」というのは幼いときによく使った九州の方言だ。息子も娘も小さいときに使った。遊びの仲間にいれてくれ、という意味だから「加てて」という漢字だろう。

 ひょんなことから『かだる雪まつり』のご案内をいただき、妻殿と相談したら興味を示し、ちょうどJR東日本の「大人の休日倶楽部会員パス」も初めて使ってみたいということで行ってみた。

 秋田で一番雪深い里として必ず天気予報には取り上げられるそうだが、初めて知った秋田県の「秋の宮温泉郷」というところ。広域合併で今は湯沢市。そこの鈴木俊夫湯沢市長の挨拶もあった「秋の宮地域づくり協議会」によるイベント。

 1940年生まれでボランティアを務める元・役場の観光課にいたという土田さんは10年前までははずかしくて泊まってくれとは言えなかったという。よくいえば鄙びた地域。「ここまで来て海老フライを、とんかつを、刺身を食べたいと思うだろうか」ということから始まって、JTBなどもいれて「この地域のサービス」とは、「こころのこもったおもてなし」とは、「料理とは」、と勉強を重ねたという。さらに「夕方6時になったら電気も消すべきだ、テレビも電気も無いそんな旅館があってもいいではないか」と何年も前から提案しているそうだが実現しないと嘆かれる。

 新幹線の古川駅からこのイベントのための送迎バス(マイクロバス)で2時間。鳴子温泉郷を北西へ折れて国道108号線(ルート108)で峠を越える。秋田県の最南端、だからここは「秋田県では」沖縄に一番近いところだと土田さんはわけのわからない譬(たと)えをいう。明治22年にできた村で、秋田県の「秋」、宮城県の「宮」で「秋の宮」だとのこと。なぁんだと思ったが、当時宮城県の県庁まで挨拶に行ったそうだ、聞けばなみだぐましい。

 2月6日(金)から8日(日)までのイベントで今年が第11回。「かだる」とは参加する、加わるということだから九州弁とおんなじだと考えた。6日(金)から会場と国道沿い10kmにミニかまくらを地域のひとも観光客もボランティアのひともみんなでつくろうというのも企画だ。杏林大学のゼミの学生さんたちも参加、よく働いたそうだ、なかに香港からの留学生もいて初めての雪経験だったらしい。3000個以上のミニかまくらを、バケツを使ってつくり、蝋燭を点灯させたそうだ。ちょうどその点灯が終わったころの土曜日の夕方に私たちは到着した。

 この温泉郷での大手旅館3者がこのまつりのために「かだる連泊モニタープラン」という2泊3日で16,800円というとてもお得な企画を提供。これを利用させていただいた。7日土曜日の「まつり」はキャンドル点灯に始まり、大抽選会、どんと焼き、小町(秋田小町伝説の里のひとつらしい)太鼓、餅つき、「七小町娘撮影会」最後は雪花火で文字通り打ち上げ。みんなで「かだる」というのがテーマ。天候は吹雪いて雪まつりそのもの、足が冷たい。初めての「かまくら」体験、こたつがあって「豆炭」がいれてあって、足をつっこめば暖かい。氷のバーもあっておもしろい。大抽選会ではなんと、なんと特賞に当たってしまい「当地旅館のペア宿泊券」を獲得してしまった。

 二,三〇年前は二階から出入りしていたと地元の人は口を揃えて言う。そして「温暖化」を実感している、ことしの雪は去年の半分だとも。雪は降るものではなく、横から叩かれるものだという。2日目の日曜日はその吹雪となった。ここの温泉の初めは元禄15年開湯、あの忠臣蔵のときだ。いまでもそこは存続していて「新五郎湯」という、入ったがいい湯だ。この温泉郷では冬は8か所ほど営業していて全部泉質が違い、それぞれが源泉をもっているのでかけ流しだ。この日はどちらも無料で開放され且つ無料シャトルバスが30分おきに運行された。私たちも3か所をまわって堪能した。吹雪でイベント本部のテントが3回も飛ばされたそうだ。実行委員会の人たちも大変だったろうに。

 一転して今日は穏やかな天候、これも珍しいという。秋田のこけしは首がつながったタイプ、峠を越えて鳴子に入ればこちらのこけしは首を差し込むタイプだと妻殿は言う。古川、仙台からはあっというまに新幹線で帰ってこられた。我が家の方が寒い。

 「いぐ来てけだんし」とは「いらっしゃいませ」という意味。「かだる雪まつり」チラシによれば、「かだるネサンス」=「住民、観光客、学生、有識者などが、みんなが“かだって”アイデアから実践までつくりあげ、温泉地を再生しようとする」試みだそうです。なにか私たちに通じるものがありますね。

 あっ、そうそう、ゲホゲホ、鼻水ズルズルで出発したが、根性と気合と西洋医学処方薬で帰るころには風邪を治したゾ。

1 件のコメント:

ブナガヤ さんのコメント...

いいですねぇ。ほんとうにいいですねぇ。大人の休日でカミさんと雪国に、、、いやケンカ旅だったりして(笑)。