2012年8月12日日曜日

こころを背負って、初老の君よ走れ


 ようやく最終電車に継続する便に間に合った。大宮を川越方面に出る埼京線は単線かな?ひと駅目で「上りの電車の到着が5分遅れているので5分止まる」という(つまり行き違いするようだ)。まじかよ…。乗り換えの「♪最終電車に」乗り遅れてしまうではないか。JR川越駅から西武電車の本川越駅までは速足でも12分はかかる。その時間がない…。結局3分遅れで到着。残り10分。

 リュックには、持って行けと被災地のかたたちからいただいた野菜の山。マスダさんが車中で仕分けしてくれた大根1本と茄子と獅子唐が山ほど、それに私の大きな地図帳が入っている。大根を無理矢理収めた。手には特産の桃7個。いずれも被災地で風評を気にしながら泣くような思いをして手にかけた農作物。こころを大切にして、いかに重かろうと大事に持って帰りたい。でも、まさかこんなにいただくとは。こんなことになろうとは…。走る、ひたひたと。だが、思うように走れない。朝3時起きで、7時半から夜の10時半まで車に乗っていたとしても、私が運転していたわけではない。ずっと運転してくれたツノさんの疲労に比べれば、なんのことはない。走れ、メロスだ。だが足があがらない。走るような思いで歩いている、こうなれば競歩だ。心臓がばくばくする。だが、見よ、あれが本川越のビルの灯だ。すべりこむ。週末の所沢行き最終電車の座席に腰をおろすや否や、手の甲といわず、腕といわず、額といわず、頭頂といわず、汗が噴き出す。ひといき、いれて「間に合った」とCメールを打つ。健気に生き抜いている被災地のひとたちに思いを寄せ、仲間のひとたち、我が健脚に感謝する。
 
 今朝も早起き、なんにしようかねとつれあいが調理をはじめている。茄子に獅子唐に大根。

*画像は、お届けした支援の玄米味噌(福島県飯舘村「さすのみそ」を種味噌にしてみんなでこさえたものの一部)。福島市の仮設住宅内にある飯舘村直売所松川店「なごみ」の店長熊谷さんと、今は伊達市の仮設住宅に住まう飯舘村の菅野さん(飯舘村佐須農産加工グループ)。

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