2011年1月29日土曜日


 鹿児島空港に降り立ち、見晴らしのいい日には霧島連山を望むことができる。今ぐらいの寒いときがそうだ。

 いつの季節だったか、その霧島から桜島そして彼方に開聞岳を一望できたことがあった。それはすばらしい眺めだった。しかし、同時にこうも想像してみた。この光景から緑を消し去ってみれば、これははるかなる太古の火山群の世界そのものだ。昔観た映画「恐竜100万年」を連想した。

 桜島がしきりに噴煙を上げていたのは学生時代までだった。夜中にドーンという地響きがして、慌てて起きて友人の下宿の窓から見上げれば、夜の帳の中に火柱が上がっていた。そのころ以来桜島はおとなしくなったと聞いている。

 開聞岳の南の海上には硫黄島といって有人島だが、見た目がミニ桜島のような活火山の島もある。周辺の海は赤色だ。霧島からここらに至るも火山帯だ。錦江湾の一部ももとは巨大なカルデラ湖であるらしい。

 霧島山から噴煙が上がるのをあまり見たことはなかった。新燃岳も昨今のニュースで聞くまではシンネンダケだと思っていた。私の故郷に火山灰が降ることはなかった。気づかなかっただけのことかもしれない。灰というから木の灰のようにふわふわとしたものかと長年思っていた。ところが鹿児島市内で経験してみて驚いた。“細かくて重い砂が落ちてくる”そういうことだ。とてもたまったものではない。

昨年の口蹄疫といい、このたびの鳥インフルエンザといい南九州では踏んだり蹴ったりのようでつらい。

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