2010年11月19日金曜日

沖縄の知事選挙


 行き詰まっている、どころか弛緩とアメリカの成り行きに相乗りの政権運営の観がある。

 劣化した自民党からまるで細胞分裂をするように年月を経てできてきた民主党は、結局は権力を引き継いだだけだ。先天的なDNAで繋がり、後天的に都市型消費型の乾いた形質をもつ。国民が「構造改革」路線で痛めつけられ、自公政権から政権獲得を託されたにもかかわらず、前政権の失政を是正していない。それどころか、継承しているようにも見える。後期高齢者医療制度、障害者自立支援法、労働者派遣法など解決の糸口すら見えない。そして、普天間基地撤去にしてもしかり、沖縄のひとびとの期待・依託を裏切った。TPPなどかつての自民党ならもっと後ろめたくやりそうなものを、あっけらかんと取り組みを表明している。農業を切り捨てることに、口とは裏腹にためらいはないようだ。昔、政権についた社会党のように国民から見放され、三たび自民党の系譜に政権が奪われるのではないかと考えられる。民主党が見放されるのは勝手だが、置き土産がひどいものだと考えられる。結局は、民主・自民とみえない糸でつながっていた大連立的なやりたい放題だったということになりかねない。

 そういう意味では民主党が独自候補もどっちにつくこともできなかった沖縄知事選挙の構図はこれからの日本の針路を占うことになる。アメリカ海兵隊基地の「辺野古移転問題」という当事者の名護市長の稲嶺さんはぶれていない。海兵隊基地の県外移設とくにグアム移設を求める県知事候補の伊波さんははっきりしている。現職候補の仲井真さんは普天間基地の県外移設を言い、謂わば争点をぼやかす抱きつき戦術をとっている。このことを大手メディアは「違いがない」などと言っているが、はっきりしている。政党の構図をみても、明確だ。共産、社民、社会大衆、そうぞう、国民新、新党日本VS自民、公明、みんな。民主がいなくてむしろすっきりした対決だ。

 地元の琉球新報によると「序盤情勢は、無所属現職の仲井真弘多氏(71)が一歩先行し、無所属新人で前宜野湾市長の伊波洋一氏(58)が追い上げる展開」となっているそうだ。

 伊波さんが勝てば、間違いなく日本の歴史を動かす糸口になる。軍事同盟、軍事対決、基地負担をなくす方策をさぐることの方が道筋だから。

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