2010年5月6日木曜日

「議員を減らせ」とは

 今ごろにも落葉がこんなにあるとは思わなかった、やたら落ちている。常緑樹といっても、夏に向かって猫の毛が生え変わるようだ。ご近所に迷惑をかけるので朝晩の掃除をまめにする。

 議員を減らせ、報酬を半減せよという動きが顕著になってきた。
行政の暴走を食いとめる、チェックをする、多様な民意を政策に反映させるために、今の日本社会は議会という方法をもっている。選挙を通じての代議制をつくりあげてきた。そのために政党が結成され政策を切磋琢磨している。だから政治的制度は行政と議会という二元制をとってきた。

 彼らの主張の本質は議会の骨抜きだ。懲りることのない新自由主義的主張である。彼らがやりたいようにやる「効率」を求めた場合、議会や議員は邪魔だ。「成果」は民意のすりかえだ。だから、ごまかしであり危険である。

 違う意見があるからこそ、それを反映させるからこそ社会が治まる。それを排除しようとしている。その先にくるものはなにか。対立と荒廃、そして新しい形のファシズム。一元的社会。

 公務員攻撃と同じ手法だ。ひとびとがこれを喝采する。あいつらは安泰だ、楽をしている。だから懲らしめろ、減らせ。これが、議会と議員に向けられている。手を汚さずに煽動して目的を達する。「金さえあれば」の野獣が野に放たれる。やがて、政治屋の刃はこちらに向かってくる。

 「選挙民が塗炭の苦しみに喘いでいるときに議員は多額の報酬を貪っている」こう主張する。では、その塗炭の苦しみに追い込んだのは誰だったのか。私たちはかずかずのいんちきな手法およびすり替えを観てきたはずだ。

 民主党は衆議院の比例代表議席80削減を昨年の総選挙のマニュフェストに掲げた。そして来る参議院選挙では参議院の議席40削減を掲げる。

 鹿児島県阿久根市の航空自衛官出身の市長は批判を意にも介せずやりたい放題だ。マスコミは興味本位のみの「ニュース」にし、勇ましい公務員・議員攻撃に腰がひけている。
 元民主党代議士でテレビタレントばりの河村名古屋市長は「減税日本」という政治団体を立ち上げ議会への攻撃を始めた(スケールも時代背景も違うが毛沢東の文化大革命の“砲撃”にも似ている手法だ、あまりにも胡散臭い)。
 元民主党代議士で統制的国家観、教育政策観をもつ埼玉県上田清二知事は「上田塾」を始めた。この人の県政は土屋前知事とはまた形を変えた私的人脈で政治を牛耳る手法だ。
 どこかの国家予算にも匹敵する膨大な都税を浪費する石原慎太郎さんも後援する「たちあがれ日本」。元民主党代議士で前の横浜市長の中田宏さんや山田さんの「日本創新党」。宮崎県知事の椅子が腰掛けであることがありありの東国原さんもちょろちょろ動いている。
 テレビ出演でちやほやされ弁護士でありながら人権感覚の乏しい橋下大阪府知事も「大阪維新の会」を立ち上げ、人気にあやかろうとする市議県議を集めている。なにやら「大阪都制」構想で浪速のひとびとを幻惑しようとして野心を遂げようとしている。
 舛添要一さんのお化粧直し「新党改革」。

 通底する本質は新自由主義的主張、猫の毛の生え変わり、常緑樹の生え変わりのタグイではあるが、より過激に煽動するように湧いてくるようで始末が悪い。さかのぼれば、1976年の「新自由クラブ」発生以来、なんどもなんども繰り返される「新党」だ。

 手練手管を弄する政治屋をこそ見破り、排除されるべきは弱者ではなく、インチキなすり替えの主張と考える。

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