2012年7月4日水曜日

ふるさと


私のふるさとには原発があります。
原発のある川内は私のふるさとです…。

川内(せんだい/鹿児島県)の中心街から約10km離れた川内川河口の左岸、久見崎(ぐみざき)から寄田(よりた)という静かで美しいところ。春になれば潮干狩りに行きました。旧制女学校の遠足はこの地であったそうです。片道3里の道のりを徒歩で行き帰りしたことを母や叔母たちから聞かされ驚嘆しました。海に臨めば甑島が見えます。秀吉の時代には島津の軍港として朝鮮侵略の軍隊が送り出されました。永久に帰らぬ夫を待つ「想夫恋(そうふれん)」という踊りが伝えられています。松林が続きすと~んと海になります。昔日の林間学校でみた遠く東シナ海に沈む大きな夕日が忘れられません。砂は白く、緑は濃く、空は青く、風は清しく、海は紺碧色。私の幼いころの情景。

ここに、鉄条網に囲まれた巨大な建造物があり、もはやその松林の中に入ることはできません。陸側からは見えません。九州電力川内原発が稼働したのは1985年。私が故郷を離れて10数年後。私が高校生のころ建設計画が発表され、当初から地盤の不安が指摘されていました。堅固な保守的風土の町で共産党の人たちをはじめ幾人かの大人たちが街頭に出て訴えていたのが印象に残っています。遠巻きに聞かぬふりして聞いていました。聞く耳もたぬ人たちが大勢であったのも実態だったと考えます。その後、実際に1997年には北薩地震(M6.6)が起き、当時この一報を聞き「やられたっち」思いました。震源がもう数km南に寄っていれば危ないところでした。

ふるさとに原発がある。私には重い事実です。

現在進行形で、今度の日曜日(7月8日)に投票が行われる鹿児島知事選挙が実施されています。地元の「南日本新聞」によれば、再稼働には条件付き容認の現職伊藤祐一郎(64)さんの優位が伝えられています。対立候補で、「南方新社」という実に骨のある地元出版社の社長である向原祥隆(むこはらよしたか)さんが再稼働反対の立場を鮮明にして追い上げています。まだ、3割の人は決めかねているそうです。

広瀬隆さんの資料から
「脱原発」では食えんという意見も聞かれます。しかし、ずっと中央(国)の方を向いてきた官僚県政が続いてきたというのが実感です。民・自・公の県政ではどこでもいのちと暮らしがたちゆきません。「生き方」を考えるべき投票のことを訴えています。

また、7月29日には山口知事選挙の投票が予定されています。変えたい、原発再稼働や原発建設をさせてはならない。今度は「民意の薩長同盟」で「福島の無念」に歴史的使命を担おう!結び合おう。そう、考えます。未来のために、子どものために。

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