2012年1月14日土曜日

宣伝


 土曜日に興味深い映画があるらしいという情報をつれあいがもってきたのは今週の水曜日のことでした。会合で出てきた話です。宣伝の力と口コミはすごいですね。

 ママチャリを飛ばして隣町の産業文化センターに行きましたら、地元の生活クラブ生協さんの主催であることが初めてわかりました。
<遺伝子組み換え>を問うドキュメンタリー映画の二本立て
Life running out of Control 暴走する生命」(2004年/ドイツ)
「パーシ―・シュマイザー モンサントとたたかう」(2009年/ドイツ)
制作はデンマルク・フィルムというところですが、日本語字幕・配給は埼玉県飯能市の小林大木企画というところでした。

 主催者の方のあいさつでは、今は放射能のことでいっぱいかもしれませんが、本日の映画のテーマも「ドキドキすること」です、また、TPPのことも忘れてはなりませんという趣旨が述べられました。

 「最終兵器としての食物。食物連鎖の始まりは種子。遺伝子組み換えは世界を支配する試みとして多国籍企業に握られている。」映画の中でそう明確に主張するのはインドの物理学者で活動家のヴァンダナ・シヴァさん。
 養殖の鮭が海の生態系や食物連鎖や給餌など、それこそ不自然な形で急速かつ世界的に事業化・多国籍化する実態を仕事柄みてきたのが数年前でした。その後その業務を離れましたが、私はそれだけでも疑問に思っていました。当時既に予測できたこととはいえ、遺伝子組み換え(GM)のサーモンができ、2010年9月にはアメリカ政府(FDA)が安全と公表していたことをこの映画で知りました。私には得体のしれない恐ろしいことだという実感があります。
 ノルウェーの分子生物学者テリエ・トラビークさんは数少ないインデペンデントな学者なのだそうで、遺伝子工学の研究者の95%が企業側に属しているこれが問題なのだと訴えます。これを聞いて日本の原子力推進の実態にも似ているのだなと考えました。支配しようとしているのです。また、学問(科学や研究)が真実の追究にあるのではなく、産業のためにある実態がアメリカや日本で進んでいることも実感します。
 生命そのものを支配することが企業化している。カナダの農民パーシ―・シュマイザーさんはとても明晰な論を展開します。GMへの疑問と抵抗、モンサント側から仕掛けられた裁判や圧力とたたかうなかで積み上げられた強い立場と論拠を感じました。しかし、GMのこととはまた別に、農民とはいえあれほど広大な土地で単作に取り組むシュマイザーさんの大規模農場のことに、ついついTPPのことをも連想してしまいましたね。

 会場を出て「小出裕章さん飯能後援会」のチラシと「松井英介さん講演会」のチラシをいただきました。別の用件があって自宅から直行しなかったのですが、こんなことなら私たちのようやくできたばかりのチラシも持ってきてこの人たちのように会場外で配る手もあったなと考えたしだいでした。支援を要請する対象者としてはぴったしだったなと考えられました、惜しい機会を逃したものです。

 大きな組織に網をかけるのも方法ではありますが、それだけではなくて、根を張るように自らの周りから、広く且つ効果的に呼び掛けていくように努めていきたいと考えます。

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