今日まで子どもたちに言いそびれておりました。それで今朝がたみんなにメールで告げました。それで、今日が最後の出勤だったのかとリアクションがありました。そうではないのだけれども、今日まで黙っていてすまなかったと返信しました。今日は長い休暇の終わり。
私たちの住む私鉄の最寄駅から200円も払えば終着駅ですが、関東圏は大都会でありますのでここは同時に始発駅でもあります。そこから歩いて20分、トイレのショールームがあるというので駅からはるばる歩いて行ってきました。そこで改めて違う業者さんに見積もりをいただきました。価格が違うものです。
それはついでだったのですが、今日は職業人生最後の日ということであらかじめつれあいが予約をとっておいてくれたイタリアンレストランで「お疲れさま」の食事を二人でいたしました。
JRの駅前にはいくらでも見栄えのいいお店があるのですが、全国どこにでもあるお店です。それらを通り越し、娘がかつて母親に紹介してくれたその小さなお店は看板すらありません。だけれどもいつも予約でいっぱいです。
ご夫婦でやっているらしく、16人ぐらいも入ればもういっぱいです。メニューは日毎にたくさんあって、デイナーのコースをたのんでも二人3,900円でお得です。奥さんが給仕をやっていて愛想がいいわけでも悪いわけでもありません。だんなのシェフは一人でやっていますから、注文の料理は前菜から始まり、いくらか時間をかけて出てきます。食べることにいくらせっかちな私でもゆっくりと食べざるをえません。もちろん、感心するほど味と内容がいいわけです。
奥さんにはどことなく生活に疲れたような雰囲気がありましたが、帰りしな、シェフのありがとうございましたという微笑に目と目があいました。私も笑顔を返しました。私には似合いのお店に思えました。なんの飾り気もプレゼンもなく、さりげない心配りと内実の行き届いたこういうお店が、私は心の底から好きです。このように、こころの記念にお祝いの食事をつれあいからおごってもらいました。うれしかった。
往くときの道のりは遠く感じるものですが、ワインを一本空けて還るときはそうでもありません。月夜の下でついつい、あの夫婦の経営や収入はあれで成り立つのだろうかと二人で計算しておりましたね。今日はなんでもない土曜日、ちと蒸し暑い日でありました。長男からはまた、「まだまだ長い人生を楽しめ」とメールが入っておりました。
2011年9月10日土曜日
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