たけちゃんの上の兄ちゃんのとしおちゃんは幼いときに熱病を患ったらしい。知的障害者だった。いくつも年上だったけれど幼い私たちと遊んだ。あるときどういうきっかけかみんながとしおちゃんをはやしたてるという‘事件’が起きた。腹かいた(怒った)としおちゃんはしばらくして家から包丁を持ち出し自転車に乗ってやってきた。皆が遠巻きにして見守っているうちに、おばちゃんが青い顔をして間に入ってきた。私たちに怒っているような懇願しているような、そしてたまらずに泣きじゃくった。いつものおばちゃんではないおばちゃんだった。
おじさんもやがておばさんも亡くなり、たけちゃんの下の兄ちゃんのかずちゃんがとしおちゃんの面倒をみていたが、いつか施設にあずけたと母から聞いたのは、もうずっと昔の話だ。
おじさんもやがておばさんも亡くなり、たけちゃんの下の兄ちゃんのかずちゃんがとしおちゃんの面倒をみていたが、いつか施設にあずけたと母から聞いたのは、もうずっと昔の話だ。
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