2010年2月8日月曜日

記念品

 首が左に曲がらない。首が左にまわらなければ通勤の自転車から富士山がよく見えない。

 おでんにした。息子の友人のユゴン君が来たのは1年以上も前のことだ。みやげにくれたミニチュア瓶の朝鮮焼酎を3本飲んだ。それで酔っぱらって寝て、寝違えたのだろうか。月曜日の出勤は下腹に気合をいれなければ出て行けない。

 定年退職後も「シニアパートナー制」とかで残るらしい。やめておけ、ほかにもっとやることがあるだろうと煽るが、詰まるところ居心地がいいのだろう。思えばヒトのことは言えない。農業をやれ、食い物をつくれとあまりに言うものだから、いや、あなたとしばらく同じ職場にいてやるんだときた。記念品は何を所望かと率直に訊いた。前の人には『5年日記』を差し上げた。一緒に買いに行った。それを慣例にしようかと思っていたら、あのとき後から自分の分も買ったらしい。それで日記をつける洒落たボールペンでも、と出た。それなら宙に浮くボールペンでも買おうかと思案していたら、翌朝買ったかと訊かれたから、まだだと言うと、考え直した「私からの本」が欲しいという。そんなことを言われても何百冊にも及ぶと応じた。はて、考えあぐねた。なにしろ嗜好の問題でもある。一冊で表現できない。これからの人生をどうするんだとさんざんハッパをかけてきたから、ならば推薦本をくれときたようだ。そのつもりだろう。
 それで送別会の出席メンバーにも銘々で自分のあげたいと思う本をプレゼントしようとメールを打った。今朝早速、みんなから、いくらぐらいのどんな本にすればいいのかと返信がきた。「お手数をかけてすみません。本と言われて、はたと困ったのですが、本は好みですのでみんなの総意というわけにはいかず、それぞれで贈ったらいかがと考えた次第です。負担にならない程度の金額のものか新書あたりでいかがでしょうか。ちなみに私にとっては職場の先輩ですので、この前買ってもらった本と湯浅誠(派遣村元村長)さんの本を贈ろうと勝手に考えています。気持ちの問題ですので、彼の好きなジャンルというよりむしろ、ご自身がいいなと思った本でよいのではないでしょうか。違うジャンルをもちあい、違う世界を開いてもらいたいなと考えていますから。」

 ヒトには言ったが、何がいいかと迷うものだ。年末、人に薦めたとき、で、その本はどこの本屋に置いてあるのかときたから、多分置いてないと思う今度会ったときにオレから買えと言った。そうだあれはレア本だ、そう簡単には手にはいらない。思い立ってギフトラップをしてほしいと特注をかけた。どこの埠頭で取引しようか。

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