2010年2月17日水曜日

謀商議


 悔やむことがある。じゃあ、行けばよかったと。

 目がこっちを向いていなかったから、話半分に聞いていた。だから、頭になかったが、「今日来てください」と突然言われて、はて何だったかと考えて、多分あれだとは思い出した。「予定が入っていて」と返事すれば「無理なら結構です」ときた。そう言われてしまえば断固天邪鬼がもたげてきてしまったのだが、さすがに予定は変えられない。失礼しますとて、遠心力で帰った、一目散。電車が動き出してから「無理して出てもよかったな」とくよくよする。
 ストレスはふくらはぎにたまります、第二の心臓と言われますとも。そう言って、ジムの先生はそこを見た目で‘ししゃも’と呼ぶ。うまいことをいう。下から上へ絞りましょう。折りたたみ式の携帯電話のように皆が前屈をしている間、独りおなかの大きいネコのように四苦八苦の冷や汗で屈折の苦痛に耐えながら、ふと「やっぱし行った方がよかったかな」とか頭をよぎる。申し込みが成って「謀議に巻き込まれそうに」とか連絡がきて、「なんだ、じゃあ、出ればよかった」とまた考えた次第。

 定式の仕事の囲いモノにとっては、謀議ハカリゴトのほうがどんなにおもしろそうだったか。まっ、いいか。そのうち、また誘われるだろう。中途半端もいいものだ。なるようになる、これも主義だ。

 『山田洋次 なぜ家族を描き続けるのか』(新田匡央さん、2010年1月刊、ダイヤモンド社)を見つけた。タカラブネのロールケーキを買ってきて焼酎のお湯割りと一緒にいただく、両刀使い。多少、ほんの少しなら太ってもいいと二人で覚悟しながら。顔のシャープさがなくなるよ。なるようになる、あとで悔やむ、これが実態で主義だ。

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