2012年11月10日土曜日

中村梧郎写真展「枯葉剤とベトナム」


 中村梧郎写真展「枯葉剤とベトナム」(埼玉県川越市立美術館市民ギャラリーにて11月6日~11月18日)ベトナム戦争は私の少年期から青年期までの同時代の戦争でした。
会場の許可を得て写真を撮らせてもらいました。

 写真とコメントにつらくなりました。「タイニン省の森に捨てられた」(1982年)ダン(10歳)、妹タム、(姉のガー)3人の手足は深く湾曲。

 アメリカの支配に抵抗するベトナムの人々の隠れ家になり豊かな森であるジャングルと食糧を断つために農地を枯葉剤(除草剤)とダイオキシンによって徹底破壊しました。1961年から1972年の10年間のことです。ベトナムの広大な面積になります。その結果のひとつがこの有名な写真です。1976年のマングローブの森の姿。本来はうっそうとした熱帯のジャングルのはずです。写っているのはフン少年。ダイオキシンは人体の脂肪組織に入り込みほんの微量で異常をひきおこす超有害な化学物質、そして遺伝毒性をもちます。



 枯れ葉剤は、密林を枯死させ、解放勢力の拠点や兵士をあぶり出すために大量に使用されました。枯れ葉剤には猛毒のダイオキシンが含まれており、これを浴びたベトナムの人々や帰還した米兵・韓国兵、さらにその子孫にもがん患者や障害児が生まれました。
ベトナム政府は最初に枯葉剤が散布された8月10日(1961年)を忘れえぬ記念日としています。
マングローブの森にたたずんでいた写真のフン少年は障がいを発症して成人します。そして2008年に30代で亡くなりました。

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