2011年4月4日月曜日

弔いを申す

三陸の港の町の
海を畏れし土の民
古町(ふるまち)
緩やかな坂を下りて
新町(あらまち)
三日町(みっかまち)
八日町(ようかまち)
湊の繁盛、魚町(さかなまち)

魚町に育った父様(ととさま)の
魚町に嫁いだ母様(かかさま)の

静かな父様の
明るい母様の


御死に顔 拝み申し候

穏やかでは
穏やかではありませなんだ

津波に呑まれた
父様の
津波に呑まれた
母様の
水に打たれた
父様の
水に打たれた
母様の

打ち傷の
唇膨れ
口開き

唇が腫れ
口が開いて
おりました

あな畏ろしや
あな畏ろしや

ひ孫へ伝うべし
そのまた孫へ伝うべし

讃美歌に送られ
白い骨になりました
海を見おろす家族のお墓に
二人揃って
納まりました

2 件のコメント:

ゆっきんママ さんのコメント...

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

余情 半 さんのコメント...

 あちらでは余震は日常のことになっていましたが、さすがに昨夜の余震は大きく、また、心配の種が増えました。

 ふたりともルーツは岩手県南部ですが、土の民、農民の顔をしていたように私には思えました。お弔いのお言葉ありがとうございました。