2011年2月2日水曜日

百姓が育てた苺


 ツアーの主催者は「竹村くん」と呼ぶ。中学時代の同級生だからだ。
 きちんと刈り上げたその坊主頭の風貌が何とかという落語の師匠に似ているなという印象だ。

 まだ学校に通っている子供がいるけれど、皆さんが食べる分ぐらいはいいよと言って、ハウスの中のイチゴをもいで試食してみることを勧められた。柄の部分まで完熟していて、どうせなら大きいのをと狙って食べてみて驚いた。甘い!それもすごく甘い。たまたまかなと思って、遠慮がちなそぶりで容赦なく次のをもいで食べた。同じだ。その丹念なご苦労の程を聞いた。さすがだ。こういうつくりをしている、ああいうやり方をしていると色々うかがったが、それだけのことのある作物だ。実際に商品としてパックしたものを見ても充分に完熟しているものを出荷しているようだ。丹精さが違う。

 私は農業という生産活動をしたこともなく、まして有機栽培のことも知らないので、それに関わる用語も初耳だ。チョ・ハンギョ(趙漢珪)先生、てんけいりょくじゅう(天恵緑汁)。見たり聞いたりしているうちに、まるで不老長寿の薬を調合している仙人のように見えてくる。なにしろ、やっていることがアンチョコではない。手間暇かけて、丹精込めてという農法であるということがわかる。

 帰りしな、うちのつれあいが訊いた。何かと思ったら、ところで主催者さんは中学時代アイドルでしたか、と。私たちはそう踏んでいるのだが。返事がよく聞こえなかった。

 竹村さんは真理さんという奥さんと連名でいちごパックを出荷している。添える案内書もそうしている。

 筑波山腹から来て、再び、今度は参拝のために筑波神社へと向かった。

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