2009年11月19日木曜日

やめる


崩れた空模様が雪になっても不思議ではないほど冷え込む。

森永卓郎さんの『やめる』を新書版(09年6月刊)でもう一度パラパラと読む。実はいつでも「やめてやる」を胸に秘めている、いや「やめたい」の弱気の方だろうか。

「トリイステーション」は昨年の沖縄訪問のコースに入っていた。これは米軍基地のひとつである。秘密諜報組織(つまりスパイ組織)と謀略部隊であるグリーンベレーが駐留しているらしい。米軍および軍属による様々な傍若無人の所業を沖縄の人たちから聞いていた。印象によく残っている。そして、ここに所属する兵士が県民をひき逃げした。激しいスピードで跳ね飛ばし救助もせずに逃げたとしか思えない。そして「日米地位協定」に守られている。欧米列強による19世紀の不平等条約のことや植民地支配を想起する。そんな日米関係ならやめていいのではないか、もういいかげんに。

デフレに陥っているのを職業で実感している。流通業にとって「今を耐えればなんとかなる」という展望はない。トップは来年になれば、再来年になればなんとかなるだろうということはないと自覚している。とにかく売れなくなったから価格訴求に突き進む、つまり安売り合戦だ。そうでなければ競争に負ける、倒産すれば元も子もない、ともに路頭には迷えない。製造者も悲鳴を上げる。価格の引き下げ、協賛金の「自主的」アップを迫られているらしい。製造装置を稼動させなければならないから「売れないよりマシ」というジレンマに陥り値下げに応じる。流通業も製造者も今度はなにを削るか、人件費だ。物件費はもう鼻血もでないほどにカイゼンが進んでいる。人件費を削るから人々はまた家計の節約をせねばならず購買力は一層後退する。限られた次元・空間のなかでみんな一生懸命なのだけれども、つくり続け、売り続け、買い続けなければ経済が成り立たないという。恐慌がずっと続いている状態で資本主義が立ち行かなくなっている。
「やめる」「たちきる」のうねりが必要なのだけれども、共同社会、価値の転換、未来社会がさまざまに描かれつつある。

2 件のコメント:

ニーニャ さんのコメント...

今日政府は公式に、日本がデフレに陥っていると発表しましたね。
デフレスパイラル・・ この先どうなるんだろう。

余情 半 さんのコメント...

この投稿と政府の発表のタイミングは偶然一致しましたが、この間実感していたことでした。消費がもはや浪費であり、これが貧困や環境破壊にもずっとつながっている、このことを断ち切る社会のあり方、生き方を考え実行することが問われているように思います。