都心から1時間以上もかかるのに立川も昭島も私には大都会だ。なんだこの巨大商業施設は、ここはアメリカか。ディズニーショップもある。
昭島市民会館の入り口にはもう様々な大漁旗が飾ってある。この大きなホールを埋めるのだ、文字通り大舞台で演技をする。
大詰め、今宵はゲネプロ(《ドイツ語のGeneralprobeから》演劇・オペラ・バレエなどで、初日の前日に本番どおりに行う総げいこのことby大辞泉)だ。緞帳が上がれば、いよいよ有明海諫早湾に誘(いざな)われる、休憩なしの1時間40分の舞台だ。もうすぐ干潟の海がひろがり、渡り鳥がやってくる。段取りが続く。いろいろな人の声がとぶ。本ベルが入る、さあ緊張の一瞬だ、暗くなる。
干満の差は8メートル。諫早湾の生き物の賑わいは渋谷のスクランブル交差点よりも勝る。満潮に至るシーンの表現はリアルだ。あさりを子どもたちが演じる。あさりは菜の花のころだ、そうだ故郷を思い出す。老いも若きも幼きも100人が踊り歌う。
よくもここまで仕上げたものだ。めっけ!私の目も鋭い、居たいた。まぁ、すごいメーキャップをしたものだ。これだ、ブーワン軍団のシーン、人間を捨てたおばさん演者たち。ここは拍手するところだ。一方、ムツゴロー役はかっこいい。
閉門のシーンは渇くような赤色のライト、黙示録は白だ、骨の色。鉄板293枚のスイッチは11人の手で押された、黒だ。熟女軍団だけで歌い踊ると声もやや低めで、沈痛さが効果的に演出される。
この世に生を受けたものは土に還る、ここから土に還らないものはつくらない方がいい。「私は干潟」年齢は35億歳、単なる泥、でも生きとし生けるものはここから誕生した。母の胎内でも引き潮満ち潮を記憶しているからだ、命の揺りかご。Rちゃんにも短いが台詞があった。
点数、売上、GDP、・・・、数ばかり数える。数えられないものがある、本当のことはかぞえられないのでは、空気の味、水の味、海の色、風、潮、こころ、・・・。
開けましょう、潮がきたぞう、ああ、この衣装だったのだ。風の音を聞こう、風が駆け抜けた、あのころに帰ろう。
あすの席は900を超えた、プラス1、いやプラス5、キャストから声がかかる。今、この舞台を観たら空席をだしたらもったいない!声が詰まる(男)、泣くにはまだ早い!(女) 声を詰まらせたのは昭島の実行委員会の責任者の若い弁護士さんだ。
さあ、本番だ!描くのは生きる希望だ!声をかけよう、そう空席にするのはもったいない、うるる。
2009年11月6日金曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
2 件のコメント:
初演の昭島公演はほぼ満席でしたね。
キャスト、スタッフ、実行委員の気持ちが一つになって、その思いは観客のみなさんに伝わったと思います。
実際に観た人には好評です。皆さんにも自信をもって勧めたいと考えます。ブレイクしてくれればと願っています。
コメントを投稿