2011年12月4日日曜日

有事法がまちにやってくる

忙しくなった。

今年はお歳暮を昨年の倍送った。つれあいの親戚への「絆」の形(今年だけだからと連絡するつもり、もちろんお返しは無用)、私が世話になった人たちへのあらためての御礼のつもり(同様)。虚礼廃止をじわりと進めるつもりでいたのだが逆行させている。それで追加があって昼に生協のお店まで行ったら、住所録を忘れてきた。夕方に再往復。

昨日言われて今日、今季最後の秋刀魚が届いた。大慌てでメニューを考える。子どもたちも集まってくれた。が、長男は相変わらず忙しく夕方も遠くへ接見に行くとの由で加われず。チカさんの容態は良くもなく悪しくもない模様と淡々。秋刀魚は刺身、つみれ汁、塩焼き、梅紫蘇巻・チーズ巻のフライ、骨せんべいなどなど私とソータロー以外のみんなが工夫して調理し腹いっぱいいただいた。つれあいが一夜干しもつくってベランダに吊るしている。しばらく秋刀魚づくしだろう。

そうそう、秋刀魚の刺身丼の昼飯中に奥歯の詰め物がとれた。


ヘルメットを着用しクロスバイクに乗って隣町の会場へ途中の林を抜けて急行した。さすがに軽快に走る。いつもなら、とても間に合わぬところだが、5分遅れで到着。「有事法がまちにやってくる!」の田中隆弁護士の講演に間に合う。気持ちよく晴れてくれた昼間のことだ。

帰ってきたら、Mさんから返事のメールが来ている。思い切って初めて電話をしてみた。ひろがりが大事なので来る人を優先してほしいと。


戦争は突然始められるわけではない。ましてこれを禁じた憲法を持っている。にも拘わらず我が国に軍隊は厳然として存在する。

戦後マッカーサ―が降り立ったのは厚木飛行場。ここは海軍航空基地。陸軍の主要な航空基地は埼玉県の所沢。かつては軍都であった町だ。米軍に接収され返還されたのちそこは航空公園となっているが、それでもなお広大な敷地に米軍の通信基地が残っている。

某国が攻めてきたらのもとに、有事法制・国民保護計画が制定されて訓練が実施されてきた。国民保護法はその美名のもとに全自治体・国民を動員できる。訓練は政府主導のみで今年度までに実動、図上含めて85件あるそうだ、これに各都道府県自治体のものがある。ただ「備え」のつもりが、どこから敵が来てどこに住民を逃がすのかという訓練をどう想定しても現実味がないというのが実感。いざとなれば、軍は作戦遂行が至上命令、国民保護にかまっていられるのか。むしろ、有事法制は国民の徴用・徴発の対象になるという体系。武力攻撃事態に加えてテロ・サリン・原発・公共機関の攻撃など緊急事態対処という本来警察がおこなうべき治安法的性格になってきたというのが有事法制の実態。しかも有事とは侵略を受けるというよりも米軍の侵攻に対する反撃への対処が想定される。

1月28日に所沢航空記念公園の野外ステージ客席において爆発物によるテロが発生したとの想定で「国民保護実働訓練」が行われる。埼玉県と所沢市の共催で国も法律上主催する(らしい)。訓練には救援型ではなくて攻撃型の陸自ヘリも出動する。

想定場所は市民の憩いの場でさほど利用が過密とは思われないところ。あけすけにいうとテロリストがそんなところを狙ったところでなんの効果もないだろうと考えられる地点。標的にしては意味がない、変な話、やるなら都心だろうに。

「危ない国」、「危ない人」、「テロリスト」、「不審者」に備える訓練。とにかく「敵」をつくる、「外敵に備え」「内なる敵を監視」

講師は提起する。外征する日米両軍の兵站を固め、「銃後の守り」をつくることがねらいであると。後方の構築は戦争を容易にする。備えあれば、憂いを生じると。

“これだけ物騒ですからね、そんな訓練も必要ですよね”と返す市民に、「いや、かなりクサイぞ、要は戦争訓練だよ」と伝えるにはどうすればよいかと喧々諤々皆で悩んだ。重たいのではないかという趣旨の意見もあった。

戦争を突然始められるわけではない。じわりじわりと周りを固められる。
「阿久根」、「名古屋」、「大阪」は市民の投票から生まれる。熱狂。


家族6人集まり夕餉を楽しんだ。7時から生協の宅配が紹介されるというのでテレビを点けっぱなしにする。好意的な番組というか、いい宣伝になった。
9時が過ぎてNHK「日本人の戦争・第2回太平洋・絶望の戦場」であった。あまり観ることができなかったが、元将校の人が証言をしていた場面があった。指揮する部隊の200人中生き残ったのは4人。「あれほど死ぬことを勧めてきたのに」「自分だけが遊んでいきていくわけにはいかない」という懺悔の姿勢とそれにふさわしい戦後の生涯をおくったという。この方は毅然と証言を残し取材の3か月のち没した。

叔父の家には明後日、姉と一緒に訪問することにした。高齢でやりとりがやや心許ないのだが、電話の向こうで喜んでいる様子だった。

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