2010年12月2日木曜日

併合100年Ⅰ


 故郷にある暮川(くれかわ)は、南北に続く商店街の北の端にあった。暮川はごく小さな川なのにしょっちゅう氾濫した。佳山さんは背の高い女の子で小学のときの同級生だった。笑窪のかわいい子だったが、気の強い子でいつも参った。今から思えば、あの辛淑玉(シン・スゴ)さんに少し似ている。佳山さんの家は暮橋を渡った国道沿いに面していて商店を営んでいた。まだ両隣などがなく、ポツンと建っていて廃品回収業を生業(なりわい)としていて当時羽振りがよかったように記憶している。いつか母があそこは「チョーセンジン」だと言ったのを覚えている。

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