新潟県魚沼郡ナニガシの生まれ。一泊した旅館の男、女に分かれた相部屋で「自分は米つくりをしたいのだ」と聞いた。その時からかその後かは忘れたが、故郷に田んぼと家を借りて、つくり方は幼馴染に教わったそうだ、そしてリタイア後の今では1年の半分を新潟で過ごし、雪のある間はこちらに帰っているような話を聞いていた。
この前のバザーに久しぶりに顔を出したとき、樋口さんの「魚沼産こしひかり」が出品されていた。奥さんの「買ってって」のひとことに義理ではなく、迷わず買わせてもらった。奥さんもいつのまにか野菜づくりの方に精通されたらしい。
そのお米はうまい。樋口さんの人柄のままだ。

あなたがたの「産直は元気が無いようですけれども頑張ってくださいよ」と中島紀一先生(茨城大学農学部長)はよくとおる声でおっしゃる。あの事件以降、消費者の手作り志向がたかまった、その「てづくり」という名の着いたギョーザが海の向こうからやってきていたと「本丸」の会場でおっしゃるので失笑、苦笑がもれる。
「農産物直売所」の販売額これがスーパーに負けていない。元気と手応えがあると。茨城なんかは土日になると車で買い求めにくるのだそうだ。それは私の旅に出たときの購買行動に実感がある。
05年の国勢調査によると、日本の就業人口総数は約6200万人。うち、農業就業は270万人。わずか4.39%である。以下、年代別にみる農業就業人口/就業人口総数の比率。(以下、中島先生の資料より)
20歳代 0.82%
30歳代 1.03%
40歳代 1.99%
50歳代 3.50%
60歳代 10.94%
70歳代 33.44%
80歳代 37.26%
この国では若い人の職業選択肢のなかに農業が入っていない事態という現実。
「食べものをつくるという生産領域に歪み」があるという。
農業就業者に占める65歳以上の比率は58%(05年「農業センサス」より)。
日本の農業は高齢者が担っている。
しかしながら、上の表をみると農業とは高齢者が働ける産業であるともいう。60~70代で支えられている日本の農業では、40~60代の参入者は若いとも言えるそうだ。
下記の表を見れば、1990年から15年間で100万戸の農家が消えた。
<単位(農家数:千戸)>
販売農家 主業農家 準主業農家 副業的農家 計 自給的農家
1990年 2970 820 954 1195 2969 865
2005年 1949 428 440 1081 1949 899
増減 -1021 -392 -514 -114 -1020 34
増減率 66% 52% 46% 90% 66% 104%
1990年 構成比% 27.6 32.1 40.3 100
2005年 構成比% 22.0 22.6 55.5 100
*年間の農産物販売金額が50万円以上の農家を販売農家、それ以外の農家を自給的農家という。
担い手がいなくなっている厳しい現実ではあるが、ところが中島先生は自給的農家が減っていないということに着目する。「農産物直売所」に供給をして、元気がある農家はこういう自給的農家や副業的農家であるという。
自然に触れ合いたい、作物を育ててみたいと思う40~60代は多い。その1割でも実際にやってみたら裾野が広がる。40~60代の参入者は農業にとっては若い。本格的な農家になるのではなく、国民が農業に触れ合う裾野を広げるべき支援をすべきではないかという。
2 件のコメント:
私も2回ほど中島先生のお話は伺ったことがあります。
確かに、「農業をしましょ」とはおっしゃらず、外を指さしては「野菜を作りましょ!」っておっしゃっていました。
その中島さんの授業で来週しゃべります。
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