2012年7月12日木曜日

ドナ・ドナ


もう2週間も前の金曜日のことになります。そう、あの首相官邸前の抗議行動が10万人(主催者発表)を超したという6月29日の晴れた昼下がり。

愛用の自転車を粗大ごみで引き取ってもらいました。市にお願いしておりましたものです(有料500円)。

10年も以上前のことでしょう。どこかのホームセンターの目玉商品で買いました。最初はつれあいの新車として、次にそのおさがりを私が、そのまたおさがりを再度つれあいが通勤用として愛用しました。使っている間にベルも前籠も、後ろのタイヤもそっくり入れ替え、ライトも取り換えました。そのたびに近所の自転車屋さんにお世話になりました。スタンドが壊れていて、パンクしたらとうとう前輪もタイヤごと取り換えなければいけないということになりました。それで、もはやこれまでと廃車を決意しました。結局長く使おうと思えば価格訴求品は高いものについたということと、近所の自転車屋さんに修理だけたのんでいてはそりゃ申し訳ないということで、今度は国産のB社ブランドを買い求めました。実は我が家では震災以降、B社ブランドの購入はこれで3台目。

安物だったとか、修理費が嵩んだとかいいます。しかし、雨の日も風の日も日照りの時も昼間は野ざらしの駐輪場でご主人の帰りを待ちました。出張の時には幾晩も夜空を眺めていたことでしょう。私たちの通勤を支えてくれたのが代々の愛車くんでした。思えば酷使したものです。

ふと我が家の窓からみたら、まだトラックに載せられて出発していないところでした。あわててカメラを持ち出し、シャッターを切りました。

偶然、翌朝の「朝日be」で「ドナ・ドナ」には、抑圧されたユダヤ人の悲しみや、黒人公民権運動やベトナム反戦運動でアメリカの暴力性を告発する意味でフォーク歌手のジョーン・バエズさんに広められた、メッセージ性があるものという来歴が紹介されていました。

ある晴れた 昼下がり リサイクルセンターへ続く道 引き取られていった私らの愛車。

名前もつけなかった愛車くん、お疲れ様でした。

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